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エコトピア

「エコトピア」

東京からわずか90分。南房総に残った豊かな自然の中で私達は暮らしています。そんな里山、里海を「エコトピア」と呼ぶ人達がいます。

エコトピアの原点は1962年にレイチェル・カーソンが出版した「沈黙の春」という著書にあると言われています。化学薬品や農薬によって地球から生物が消えて、春になっても鳥が鳴かない「沈黙の世界」が訪れるという内容です。環境問題提起のさきがけとなった作品で国際社会に大きな影響を与えました。次に「エコトピア」が話題になったのは、アメリカの作家アーネスト・カレンバックが1975年に出版した「エコトピア」という題名の小説です。環境保護ユートピア社会を描いたもので、21世紀初頭にオレゴン、ワシントン、ブリティッシュコロンビア、カリフォルニア州の海岸部などがアメリカから別れて理想郷を作るという話です。この小説がきっかけで「カスカディア」と名前を変えた独立運動が実際に起きました。場所は、小説と同じアメリカ中西部のオレゴン州といくつかの州です。しかし、この運動は9.11のテロと重なり、その騒ぎの中で消えていきました。

 

 エコトピア、理想郷、ユートピア、アルカデイア等の言葉が、ほぼ同義語として使われています。南房総では鵜原理想郷が有名なので、参考までに下記説明を加えました。

 

エコトピアに関する日本学術会議のレポートをリンクしました。長文です。

 

 

理想郷・アルカディアとは

 下の絵は19世紀初頭に描かれた理想郷です。アメリカのハドソン・リバー派の画家、トーマス・コールの作です。平群の伊予ケ岳に似た山が連作に登場しています。牧歌的な景色は典型的な理想郷のイメージです。理想郷は古代ギリシャのアルカディア地方のことです。アルカディア地方は土地がやせた山岳地帯なので牧畜が主な産業でした。そのため、理想郷のイメージでは牧童や羊が主人公になることが多かったようです。

南房総のマッターホルンと呼ばれる伊予ケ岳。

トーマス・コールの理想郷のシンボルとして繰り返し描かれた山にそっくりです。

 

ユートピア

理想郷と同義の言葉として「ユートピア」があります。ユートピアは16世紀のイギリスの作家、トーマス・モアの物語に登場する「どこにもない国」という意味の国のことです。しかし、「どこにもない国」は幾何学的に設計された厳しく管理された架空の島国で、今の私達のイメージする牧歌的な理想郷ではありません。国の理念は、日本の平和憲法のひな型のような感じで、ヘンリー8世に抵抗して処刑されたトーマス・モアの中世社会への改革提案書として読むと一層面白い物語です。
トーマス・モア、ユートピアに関しては沢山の資料、文献がありますが、まとめたサイトがありましたのでリンクします。

鵜原理想郷他

大正時代に政府が別荘地として開発しようとして理想郷と命名しました。与謝野晶子のグループのお気にいりで、岬をテーマにした作品が数多くあります。岬全体に自然が残る海の理想郷と呼べる場所です。

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